当院の歯周病治療

当院は「歯周基本治療」に力を入れて取り組んでいます。

歯周基本治療は、歯周病治療の基本である「検査」と「クリーニング」を徹底する方法で、学会などでも効果が実証されています。

当院ではこの方法に則り、まずは精密な検査を実施。よりお口の状況にあった効果的な治療計画を立てて、歯周病を改善に導いていきます。

そして検査の後に行う「クリーニング」にあたる治療が、歯石やプラーク（歯垢）を取り除く「スケーリング・ルートプレーニング（SRP）」です。この治療は、保険診療の範囲で対応できます。

SRPでは、歯の表面や根っこにこびりついた歯石を、歯科衛生士のテクニックでキレイに取り除きます。具体的には「超音波スケーラー」と呼ばれる機器を使い、超音波の振動で硬い歯石を壊しながら除去。超音波スケーラーを用いれば、手動の器具だけで行うよりも短時間で効率的に歯石を除去できるので、患者さまの負担の軽減にもつながります。

治療が終了したら、再度詳しい検査を行います。治療前の検査結果と比較しながら、歯周病が改善しているかを確認することが大切です。

歯周病は生活習慣病の一種であり、一度症状が治まっても、歯磨きや生活習慣の変化で再発しやすい病気です。歯周病の再発を防ぐには、患者さまご自身で歯磨きや食生活・睡眠などの習慣を正していくことが重要です。

当院は、ご自宅でのセルフケアや、生活習慣の改善についてアドバイスを行うなど、患者さまそれぞれに合った方法で再発防止をサポートしていきます。

加えて、より効果的に再発を防止するため、歯科医院での定期的なメインテナンスをおすすめしています。当院のメインテナンスでは、一人ひとりに担当の歯科衛生士をおつけし、お口の状況に合わせたクリーニングを実施。同じ衛生士が継続して担当しますので、お口の中の小さな変化にも気づきやすく、よりきめ細かいメインテナンスを行えるのが特徴です。

汚れが残りやすい部分や炎症のある部分は、その都度お口の中を写す小型のカメラで撮影。モニターにその写真を映しながら、お口の中の状況を丁寧にご説明いたします。さらに、必要に応じて年1回程度はレントゲン写真も撮影し、歯を支えるあごの骨の状態などをしっかりと確認していきます。

歯周病は、お口の中の細菌によって引き起こされる細菌感染症です。主に磨き残した汚れが原因で細菌が繁殖し、歯茎や骨に炎症が起こります。

特別な病気ではなく、生活習慣病の一種とされています。初期の段階では自覚症状があまりないため、自分では気づかないまま知らないうちに進行していくのがこの病気の恐ろしさです。

歯周病が進行すると、歯を支える歯茎や骨が失われていきます。そうすると土台が不安定になるため、歯がグラグラして歯並びが崩れ、最悪の場合は歯が抜けてしまうケースも。

また、この病気で影響が出るのはお口の中だけではありません。歯周病は、以下のような全身の健康や病気に影響を及ぼすことがわかっています。

特に、歯周病は糖尿病の合併症の1つと言われるほど、糖尿病との関連が深い疾患です。糖尿病の人は歯周病にかかりやすく、また歯周病の人は糖尿病を悪化させやすいのです。歯周病の改善は、糖尿病の治療やコントロールにも役立ちます。

さらに最近の研究で、歯周病菌がアルツハイマー型認知症を悪化させることもわかってきました。細菌が作り出す毒素が、アルツハイマー病を引き起こす原因となる可能性があると言われています。

このように歯周病の治療や予防は、全身の健康に大きく関わります。逆に言うと、歯周病を改善すれば、全身の健康を維持しやすくなると言えるでしょう。

歯周病の改善には、歯科医院での治療はもちろんですが、ご自宅での歯磨きや生活習慣の見直しが重要です。症状が軽いケースならご自身で対処でき、改善が見込めます。ただし症状が進んでしまった場合は、セルフケアだけでなく専門的な治療を受けることが望ましいため、早めの受診をおすすめします。自覚症状の薄い病気だからこそ、現在は特に症状がない方も、一度お口の状態を歯科医院でチェックしてもらってはいかがでしょうか。